チーム

チームのコミュニケーションの方向を気にする

プロダクト開発やアジャイルコーチの仕事をしていて、自分がチームや組織をみるときにコミュニケーションの方向を気にしているなーと思った話。

司令塔型

司令塔型は、特定の個人が中心となって各メンバーとの間でコミュニケーションが発生している状態です。コミュニケーションの起点は、司令塔発信になることがとても多いです。

例えばふりかえりなどの会議の場で、ファシリテーターが各メンバーに話をふって、それに対して回答をして場が進んでいくときにはまさにこの司令塔型のコミュニケーションになっています。

チームや組織ができたばかりのときにはこのケースからはじまることが多いです。ただし、このかたちが定常化すると、コミュニケーションが特定の個人に依存してしまいがちです。

また、各メンバー視点でみると、基本的には自分と司令塔の1対1のコミュニケーションをしていることになります。

トータルフットボール型

トータルフットボール型は、各個人間でランダムでコミュニケーションが発生している状態です。コミュニケーションの起点は、固定化されておらずどこからでも発生します。

例えばふりかえりなどの会議の場で、ファシリテーターが各メンバーに話をふらなくても、それぞれが話したいときに話し始めて、ほっておいてもメンバー同士で議論が盛り上がっていくときにはまさにトータルフットボール型のコミュニケーションになっています。

自己組織的なチームや組織ができてくると、これに近いコミュニケーション型になることが多いです。ただし、盛り上がりすぎて議論が白熱してしまうこともあるので違う観点での注意は必要です。

また、各メンバー視点で見ると、全体の議論を聞きながら必要に応じて自分が話をすることになるので、自己組織的なコミュニケーションをしていることになります。

実践をしてうまくなる

2つの型を紹介しましたが、どちらがいい・悪いという話をしたいわけではありません。チームや組織の成熟度や仕事の状況次第では、司令塔型の方がうまくいくときもあるでしょう。

ただ、司令塔型のコミュニケーションで仕事を進めることは比較的マネジメントしやすいので、ついやり続けてしまいがちです。

自己組織的なチームや組織をつくりたいと思ったときに、司令塔型のコミュニケーションを続けていても自己組織的なコミュニケーションはうまくなりません。自己組織的なコミュニケーションは自己組織的なコミュニケーションを実践することでしかうまくならないのです。

コミュニケーションの方向を気にする

経験上、チームや組織のコミュニケーションの方向がどうなっているのか観察するとわかることがとても多いです。どういうチームや組織にしたいのかを考えて、そのためのコミュニケーション設計を考える、という逆引きで考えてみるのもまたおもしろいです。

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