子と育つ

大人が楽しそうに学んでいる姿を子供に見せる

子育てエンジニア Advent Calendar 2022 23日目の記事です。

子育てエンジニア Advent Calendar 2022 - Adventar
子育てエンジニア Advent Calendar 2022 - Adventar

adventar.org

第一子が生まれた2018年からはじめた子育てエンジニア Advent Calendarも5年目になりました。今年もたくさんの方が参加してくださって、嬉しい限りです。これまでのAdvent Calendarも、リアルですばらしい記事がたくさん集まっているのでよかったらご一読ください。

子供の教育ってどうしたらいいの?

2022年12月現在、こんな家族構成でおもしろ楽しく生活しています。

家族構成

自分(36歳、エンジニア、フルリモート)

妻(育児休暇中、Notエンジニア会社員)

長男(4歳、幼稚園年少)

二男(1歳)

自分たち夫婦はふたりとも上京組なので、基本的に4人だけで生活を営んでいます。2人の子供がいる生活にどうにか慣れてきた頃ですが、来年妻が復職したらどうなるんだろう?というフェーズです。

毎日生活をするのに必死な中でも、「子供の教育をどうするか」は子育てにおける重要なテーマの1つです。

習いごと・お受験・英語・プログラミングなどいろいろな観点はあるものの、今回はそういった個別具体の話ではなく、「学ぶ」こと自体について考えてみます。

自分はどうだったんだろう?

自分自身の学生時代を思い返してみると、学校に行くこと自体は嫌いではなかったですが、体育の授業と部活と友達に会いに行く場所くらいの存在でした。コツコツ勉強することがとにかく嫌いで、宿題をやった記憶はあまりないし、漫画以外の本を読んだ記憶もほとんどありません。人生に必要なことの多くは、ゲームと漫画から学びました。

一方で、社会人になってからは、エンジニアという職業柄なのか自然と勉強するようになりました。ほぼ初心者でエンジニアになったこともあって、プログラミングから開発手法まで、とにかく勉強しないと仕事ができないのでやるしかなかったというのが実情です。そこからエンジニアコミュニティと出会い、勉強会に参加したり、登壇するようになりました。技術書やビジネス書のような本も読むようになり、ついには自分で本を書くようになるとは学生時代の自分には信じられないことでしょう。

学生時代にあれだけ嫌いだった「学習」を、社会人になってから自然とやるようになったのはなぜなのか。答えは単純で、反骨心の化身である自分は、学生時代のやらされる「学習」が嫌いだったのです。社会人になっての「学習」は、自ら必要性を感じて自ら選択をしています。さらに、「学習」をすることで可能性が拡がっていく実感を得られることで「学習」自体が好きにさえなりました。

「学習」が嫌いだった学生時代を経たからこそ今の自分があると思うので学生時代に一片の悔いもないですが、ずっと「学習」を嫌いにならなかった世界線はどうだったんだろうと考えることはよくあります。

そんなことを考えたときに、できれば子供たちにはつまらない理由で「学習」を嫌いになって欲しくないなあという想いが強くなりました。

"大人が楽しそうに学んでいる姿を子供に見せることって大事だよ"

テキサスで開催された Agile2012 というカンファレンスに参加した際に、@haradakiroさんが言っていたこのセリフが今でも心に残っています。

大人が楽しそうに学んでいる姿を子供に見せることって大事だよ

そのカンファレンスに@haradakiroさんはお子さんを連れてきていました。日本語が通じない海外カンファレンスで、お子さんは楽しそうに走りまわり、さまざまなゲストと交流していました。もちろんそのゲストたちは、世界中から集まった楽しそうに学んでいる大人たちです。

その当時、自分は子供もいないどころか結婚もしていなかったので子育てはリアルではなかったですが、その光景は印象的で鮮明に覚えています。

それから10年・・・

それから10年。2022年11月3〜5日にスクラムフェス札幌2022というカンファレンスがありました。このカンファレンスで登壇できることになったので、4歳の長男を連れていくことにしました。

スクラムフェスニセコ
スクラムフェスニセコ

www.scrumfestsapporo.org

2人でセッションに参加をして、

楽しそうに学んでいる大人たちと交流をして、

自分たちのセッションにちょっとだけ登壇をして、4歳にしてコミュニティ初登壇の実績を解除しました。

しばらく経ってから本人に感想を聞いてみると、「楽しかった!」「また行きたい!」「今日は勉強会ないの?」と言っていました。この経験が本人にとってどういう意味をもつのかはわかりませんが、楽しそうに学んでいる大人たちと一緒に楽しんでくれたようでなによりです。

子連れ参加をあたたかく受け入れてくださったスクフェス札幌運営の皆様ありがとうございました。ちなみに、会場では他にもお子さんを連れて参加されている方がいて、子供同士でも交流が生まれていて微笑ましかったです。

そして、そのままカンファレンスついでに3泊4日ではじめての男2人旅をし、北海道を楽しんできました。
(写真は長男の念願だった「きのこ王国」で収穫体験をしたときのもの)

学習は本来楽しいもの

長男は、車とキノコと食虫植物が大好きです。いろんな図鑑を置いておいたら図鑑を開いて読み込むようになり、読めなかった字が読めるようになり、今では親も知らないような知識を教えてくれます。

そんな子供を見ていると、「わからないことがわかるようになる」「できないことができるようになる」って楽しいことなんだと気付かされます。そして、それはおそらく誰もが子供の頃に経験していることであり、自分が社会人になってから学習が好きになった理由と同じです。

子供たちにはこの楽しさを忘れないまま人生を歩んでほしいし、そのために自分たちにできることをしていこうと思っています。

楽しそうに学習している親でいたい

「子供の教育をどうするのか」への答えが見つかることはないだろうし、家族で考え続けて、取り組み続けていくものです。まじめに考えれば考えるほどうまくいかないときに悲しいし、ときには責任を感じて子供に対してまじめにリアクションしてしまうような気がします。それが「勉強しなさい!」の正体なのかもしれません。

現時点での自分は「勉強しなさい!」って子供に言いたくないなあと思っていますが、もしかしたら言いたくなってしまうときがくるのかもしれません。でも、そのときに「勉強しなさい!」と言っている親(自分)が勉強していなかったらどうだろう?勉強していたとしても楽しそうに勉強していなかったらどうだろう?と想像してみました。自分が子供の立場だったら、勉強したくなくなるでしょう。

「勉強しなさい」の代わりに、楽しそうに学習している親でいようと思います。

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TAKAKING22

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