このブログ記事は 子育てエンジニア Advent Calendar 2018 25日目の記事です。
子育てエンジニア Advent Calendar 2018 - Adventar
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男性エンジニアが育児休暇を取ってみたんだけど質問ある?
私は楽天株式会社でエンジニアをしています。8月末に子供が生まれて、現在(2018年12月25日現在)育児休暇中です。
実はこの「子育てエンジニア Advent Calendar 2018」を立てたのも、育休中だったからです。たくさんの方にご注目いただき、すごく興味深い話をたくさん読むことができてよかったです。ありがとうございます。
ということで、「男性エンジニアが育児休暇を取ってみたんだけど質問ある?」というタイトルで、育児休暇の話や男性目線での子育てについて書いてみます。
なぜ育児休暇を取ろうと思ったのか
個人的には「育児休暇を取るのに理由がいるのか?」という感じですが、なぜ育児休暇を取ろうと思ったのかについて言語化します。
先輩エンジニアが育児休暇を取っているのを近くで見ていた
一緒に働いていた先輩エンジニア(男性)が、2度育児休暇を取りました。その時に話を聞くと、「すごく貴重な時間だった。絶対に取ったほうがいいよ!」ということをしきりに言っていたことを今でも覚えています。
夫婦で乗り越える必要があった
我々夫婦は共に同じ会社で働いているのですが(妻は営業職)、2人共地方出身で実家が遠いため、2人で協力して子育てを軌道に乗せる必要がありました。もちろん出産前後は義母や実母に来てもらいサポートしてもらったものの、基本的には夫婦2人で育児しながら生活をしていかなければなりません。
取ると決めていた
などと書いてますが、「いつか子供を授かったときは必ず育児休暇は取る」と前々から心に決めていました。もちろんいろいろな制約はあるのでそれらをクリアしていく必要はありますが、まとまった期間を家族で過ごすという機会はとても貴重で、それだけでも取る価値があるものだと考えています。
育児休暇中にやった/やっていること
そんなこんなで取り始めた育児休暇をどのように過ごしているのか簡単にまとめます。
ライフワーク
以下はだいたい自分の担当になっているもの。
- 掃除
- 皿洗い
- 洗濯
- ゴミ出し
- 買い物
- 風呂洗い
- 子供を風呂に入れる
- 寝かしつけ
一番大変な授乳は変われないですが、それ以外の子供の世話(オムツ替え、ミルク、あやすなど)は手が空いている方が対応しています。大人が2人いるとシフトを組めるので、睡眠時間が足りていない時は片方が面倒を見ている間に睡眠時間を確保したりできるのが大きいです。
基本的には子供が寝ている間が自由な時間なので、家事を済ませたり、趣味の時間にしたり、ブログを書いたり、資料を作ったり、本を読んだりしています。筋トレはジムに行く時間がとれないので子供を抱っこしてスクワットをしたりしています。
また、ちょいちょいマラソン走ったり、勉強会に参加したり、出かけさせてもらったりさせてもらっています(ありがとうありがとう)。
情報収集
第1子で何もかも初めてなので、子供の成長に合わせてやらなければいけないことや、「これ大丈夫かな?」というのが全然わからないので、都度インターネットなどで調べながら対応しています。
途中で買ったんですが、この本のように月齢に合わせて情報をまとめてくれている本を1冊持っているとすごく心強いです。
また、地域の児童館に行くと同じような月齢の子供を持った親御さんと知り合うことができたり、スタッフの方から子育てに関する情報を得られて良いです。
職業病
新規事業やエンジニアをやっていて良かったなと思うのは、
- 不確実性との戦い方
- Try & Errorで学びを得ていくこと
- 仕組み化して効率化をはかること
- 変化に柔軟に対応すること
などに慣れていることでした。
そしてそういう状況を楽しむことができるので、
- 抱き方
- 笑わせ方
- 寝かしつけ奥義
などを無限に開発していくことができます。
実際に育児休暇を取って感じたこと
実際に育児休暇を取って感じたことについてまとめます。
育児休暇より仕事している方が断然楽
育児休暇を取る前は、「大人2人で対応すればどうにかなるだろう。だから空いている時間でやりたいこともやろう」などと考えて、やりたいことをリストアップしていました。正直この考えは甘かったです。
これはとある週の「授乳&ミルクのタイミング」と「睡眠時間」を見える化したもの(PiyoLogというアプリ)です。
http://piyolog.strikingly.com/
piyolog.strikingly.com
他の子供を育てたことが無いので比較は難しいですが、いろんな人の話を聞いていると、まだ我が子は比較的夜はまとめて寝てくれるし、今のところ病院にお世話になるような事態にはなっていないので手がかからない方かもしれません。子によっては、夜も30分おきに起きてしまったり、寝かせるのに時間がかかってしまったりするそうです。
もちろんこのグラフ以外にも、オムツを変えたり、あやしたり、散歩に連れて行ったり、お風呂に入れたり、様々なタスクが発生します。そして、その合間に自分たちの食事や家事などをこなしていかなければいけません。
- まとまった時間が空くことはほとんどない
- どんどん緊急対応が差し込んでくる
- タスクの優先順位が目まぐるしく入れ替わる
常にこんな状態なので、はっきり言って炎上案件やトラブル対応のほうがよっぽどコントーラブルです。この点において、自分の場合は育児休暇よりも仕事をしている方が予想や計画を立てやすく断然楽だと感じています。
イクメンという言葉に違和感
平日昼間に抱っこ紐をつけて子供を連れていると、たまにおばあちゃんから「パパ、エライね」などと声をかけていただくことがあります。
家に遊びに来てくれた友人の前で、子供にミルクをあげたりオムツを変えていると、「イクメンだね」とよく言ってもらえます。
男性の育児休暇取得率は5%程度(2017年度)なので、まだまだ珍しいのかもしれません。「イクウーメン」は無いのに「イクメン」という言葉があるように、男性はちょっと育児をしただけで褒めてもらえます。
でも正直普通のことをしているだけなので、素直に「ありがとうございます!」と感謝しつつ、(同じくらいお母さんたちも褒めてあげてほしいな)って思うようになりました。
育児休暇は子供のため
夫婦で話をしていて、「夫婦2人で育児休暇を取ることで一番恩恵を授かるのは子供だね」という結論に至りました。
ワンオペをしている場合、子供が寝ているときや機嫌がいい時は子供を置いて、その隙に家事や自分の用事を済ませなくてはなりません。状況によっては多少泣いていても「ちょっと待ってー!!」と言いつつ、タスクを消化していかないと何も片付かずに1日が終わってしまいます。
でも本当は、機嫌がいい時には一緒に遊んであげたいし、泣いている時はなるべく早く対応してあげたいものです。2人いることでそれが可能になるんです。
子供は覚えていないかもしれないけれど、我々両親はこの時間をたぶん一生覚えているし、少しでも多く幸せを感じてくれたのであれば嬉しいです。
最後に
今のところ育児休暇をとってよかったことしかありません。もしまた子供を授かることがあったら、迷うことなく育児休暇を取るつもりです。
今回育児休暇を取ってみてがっつり育児をしてはじめてわかったこと、言い換えるとがっつり育児をしないとわからないことがたくさんありました。この時間がなかったら、仕事から帰ってきた時に、
「もう少し片付けておいてよ」「なんでこれもやっていないんだろう」
と思っていたかもしれません。土日に数時間子供の面倒を見ただけで、
「俺育児してるなー!」「僕イクメンっ!!」
と満足していたかもしれません。
すべての人に育児休暇を薦めるつもりはありませんが、このブログが少しでも育児の大変さを理解する参考になり、誰かを思いやるきっかけになれば幸いです。
謝辞
無事に育児休暇を過ごすことができているのも、楽天が育児休暇をとりやすい仕組みがある素晴らしい会社であることと、仲間や友人や家族がサポートしてくれているからです。ありがとうございます。
また、なにより2人共無事に産んでくれた妻に感謝しています。ありがとう。