子と育つ

コロナ禍も挟んだ6年間子育てをしてきて第三子が生まれた今、改めて大切だと思うこと

子育てエンジニア Advent Calendar 2024 25日目の記事です。

第一子が生まれた2018年からはじめた子育てエンジニア Advent Calendarも7年目になりました。今年はもちろん、毎年すばらしい記事が集まっているので、ぜひ興味がある記事を探してみてください。

第三子が生まれました!

2024年の一番の変化は、12月に第三子が生まれたことです。

家族構成

自分(会社員、フルリモート)

妻(会社員、リモート&出社、育児休暇中)

長男(6歳、幼稚園)

次男(3歳、保育園)

長女(0歳)NEW!!

3年ぶり3回目の新生児が家にいる生活になりました。次男が生まれたときもそうだったんですが、「そういえばこうだったね!」といろんな忘れていることを思い出しながらの子育てを楽しんでいます。一方で、はじめての女の子なので、これまでと違うこともどんどん出てくるであろうことも楽しみにしています。

今働いているホロラボは、フルリモート&スーパーフレックスなので、子育てをしている身としてはとても助かっています。制度だけでなく、会社の中で同様に子育てをしている人や経験者も多いため、子どもの送迎や幼稚園・保育園の行事に参加するために中抜けするのはあたりまえ、という受け入れる文化ができています。

仕事の変化としては、経営チームにも加わり、12月からは執行役員になりました。基本的に家で働くことが多いですが、顧客に会いに行くときや、経営会議などオフラインで集まったほうがよいときは出社することもあります。しかし、子どもが生まれてからは自分だけオンラインで参加したり、日中の時間にオフラインで集まって家事育児のゴールデンタイムには家に帰宅できるように配慮してくれます。プロダクトチームだけでなく、経営チームも快く受け入れてくれるのはとてもありがたい限りです。

世の中的には出社回帰的な流れもありますが、働き方を選択できることはやはり一個人とするととてもありがたいと感じています。だからこそ、働きやすい制度や環境を維持していけるように、制度に甘えることなく「どうやったら効果的に働けるのか」にはこだわっていきたいと改めて感じました。

今回は、第三子が生まれた今だからこそ、コロナ禍を挟んだ6年間子育てをしてきて改めて大切だと思うことをふりかえってまとめてみます。

子育てをハックする

子育ては大変なことも多いですが、ハックする対象だと考えると楽しいです。仕事とプライベートを分けろよ、と思うかもしれませんが染み付いた思考までは分離できません。

不確実性の塊である子どもたち。プログラムをデバッグしている感覚で、「どうすれば泣き止むのか」「どうすれば笑うのか」「どうすれば気がそれて機嫌が直るのか」に向き合うとおもしろみを感じることができます。プログラムと違って決まったロジックがないのでは?という疑問も浮かびますが、3人の子どもと向き合ってきて、なんだかんだ個人の中で共通しているロジックのようなものを感じることがあります。それに気づいたときが楽しいし、またその気づきが崩れたときもまた楽しいです。(もちろんそれでもイライラしてしまうときもよくあるけれど、親も人なのでごめんね!)

また、コントロールできないものを相手にせずに、コントロールできるものを相手にすることも大切です。自分の生活時間は確実にコントロールすることができます。子どもが生まれてからは、基本的な生活リズムとしては、子どもと一緒に寝て深夜?明け方?に起きて生活するようになりました。寝かしつけから起きてくるという苦行からも解放されるし、起きてから家族が起きてくるまでの時間を身も心もフレッシュした状態で有効に使えるようになりました。朝ごはんや登園準備など、子どもが起きてから幼稚園や保育園に行くまでの時間を担当することができるので、家事や育児の負担の分担という意味でも合理的です。

優先順位をつける場数を踏む

仕事の中で、優先順位をつける機会はとても多いです。プロダクトオーナーのようにわかりやすい役割をもっていなくても、全員がなにかしらの優先順位をつけて仕事をしています。

優先順位をつけることは、経験主義的に場数を踏んでうまくなる要素が多いです。しかし、自分自身が仕事の中で実は無意識のうちに優先順位をつけて仕事をしているのにも関わらず、それを自覚できていなくて経験知がたまっていかないケースをよく見ます。

  • 時間で解決しづらくなるので、それまで以上に仕事の中での優先順位づけを精度高くする必要がある
  • 限られたプライベートの時間の中でなにに時間を使うのか投資判断をする
  • 「子育て」「仕事」というある意味主務が2つあるようなタフな状況で優先順位をつける
  • 今日という日に限って子どもが早く起きてきたりする不確実性が高い状況下で、クイックに変化に対応できるか

タフクエスチョンばかりで「うっ」とくるかもしれませんが、子育ては優先順位をつける場数を踏むよい機会だと捉えるとよいでしょう。

親が楽しそうに学んでいる/仕事している背中を見せる

2022年の子育てエンジニアAdvent Calendarで、以下の記事を書きました。

大人が楽しそうに学んでいる姿を子供に見せる - AGILE-MONSTER.COM
大人が楽しそうに学んでいる姿を子供に見せる - AGILE-MONSTER.COM

子育てエンジニア Advent Calendar 2022 23日目の記事です。 第一子が生まれた2018年からはじめた ...

agile-monster.com

今でも子どもは、「ぼくもまた勉強会行きたい!」と言っています。夜自分がオンライン勉強会に参加していることを知っているので、「パパ、お友達と夜話してるよね」と言っています。

また、彼らにとって、親が家で仕事している風景が「ふつう」になっているので、オンライン会議をしているとわざと映り込もうとしてきたりします。

自分が子供の頃のことを思い出すと、「勉強」はやらなくてはいけないものでめんどくさいものだったし、「仕事」というものはもっと距離が遠いものでした。距離が近いことがいいことかどうかはわからないけれど、親がどうそれと向き合っているのか見せることができます。

「勉強」も「仕事」も楽しくする、という道があることを知ってもらえるとよいなーと心から思っています。

比較しなくて良いものと比較して勝手に一喜一憂しない

子育てエンジニアAdvent Calendarを7年間続けてきて、またコミュニティなどでいろんな子育てをしている人と会話をしてきて、エンジニアとしてのキャリアや学習時間の確保についての話題が多いように感じます。

  • 子育てをする前と比べて、自己学習に使える時間が大きく減ってしまった
  • 選択したことではあるけれど、エンジニアとしての今後を考えると不安がある

これらの不安は「子育てをする前の自分」や「子育てをしていない世のエンジニア(想像)」や「制約がなかったら、を想定した理想の自分」と比較することで生まれています。

比較自体があくまで手段なので、比較することで意味がある(ex. やる気が出る、目標が明確になる)のであればよいでしょう。しかし、比較をすることで苦しくなったり焦ってしまうのであれば、比較をすること自体に意味がありません。比較しなくてもよいものと比較して勝手に一喜一憂するのはやめる、という割り切りが必要です。

昨年の子育てエンジニアAdvent Calendarで、以下の記事を書きました。

「子育ては学ぶことが多い」は呪いかもしれない - AGILE-MONSTER.COM
「子育ては学ぶことが多い」は呪いかもしれない - AGILE-MONSTER.COM

子育てエンジニア Advent Calendar 2023 25日目の記事です。 第一子が生まれた2018年からはじめた ...

agile-monster.com

冷静に考えれば誰もがわかっていることですが、時間をかければスキルが身についたりキャリアが形成されるわけではありません。誰かと同じような時間の使い方をしたとしても、その人と同じになれるわけではありません。それがわかっていても、勝手に比較して不安に感じてしまっているのが現実かもしれません。まさに呪いですね。

呪いだからこそ、小手先の対応をするのではなく、呪い自身と向き合うことが大切なのかもしれません。

なによりも幼少期に子どもと一緒にいる時間を増やす

自分がいま一番大事にしたいと考えていることは、子どもと一緒にいる時間を増やすことです。

良くも悪くも特に幼少期の子どもは、親から受ける影響がとても大きいです。実際に子育てをしていても、そう感じることがあります。生まれてからずっと関東に住んでいるにも関わらず子どもたちは三河弁(自分の地元の方言)を話すし、長男は冬でも短パンを履きたがります。どんな習い事をするのか、どんな体験をするのか、どんな幼稚園や学校に通うのかももちろん大切なことです。でもそれと同じかそれ以上に、親が子どもと一緒にいる時間を増やすことが大切な気がしています。

長男が生まれて半年後にCOVID-19が発生しました。そのため、たまたま自分が子育てをするようになってからの6年間は、家で働くようになった期間と一致しています。出社していた頃と比較しても、子どもといっしょにいられる時間は圧倒的に違います。子どもたちにとっては親は常に家にいるのが「ふつう」になっています。

幸いなことにフルリモートやスーパーフレックスのように子育てしやすい働き方ができているので、子どもが体調不良や休園日で家にいても仕事をしながら生活することができます。保育園や幼稚園の行事に参加することもできます。今月も、発表会、ドッジボール大会、お餅つきに参加してきました。園にいる先生やお友達のこともなんとなくわかるので、子どもたちと会話することができます。

幸いなことに、いまのところ子どもたちは両親のどちらかがいなくなってもわりと平気です(もちろん寂しがりますが)。第三子の出産に伴って数日間妻が入院している間も、日常生活を過ごせていました。もちろんそれだけではないですが、子どもたちが親から受ける安心感は過ごす時間と比例している気がします。

なにより、子どもたちも成長していくにつれて、家にいない時間が増えていくことでしょう。長い時間一緒にいられるのは、幼少期のいまだけなのかもしれません。だからこそ、この時期は子どもたちと一緒にいる時間を大切にしたいです。

などとそれらしいことを言ってますが、なにより自分が一緒にいたいだけなんですけどね。

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TAKAKING22

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